
目次
1. 突然のお尻のトラブル。その「出てきたイボ」と痛みの正体は?
「急にお尻から何かが出てきて、痛くて座るのもつらい…」 「指で押し込もうとしても戻らないし、どうしたらいいの?」
ある日突然、デリケートな部分に強い痛みと違和感が生じると、パニックになってしまいますよね。誰かに相談するのも恥ずかしく、なんとか自力で治せないかと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
お尻から「何か」が出てきて痛む場合、いぼ痔(内痔核)が外に飛び出した「脱肛」の可能性が高いですが、実はそれ以外の病気が隠れていることもあります。
今回は、日本大腸肛門病学会のガイドラインや日々の専門外来での診療経験を踏まえ、急に「痔」が出てきて痛い時の正しい対処法や注意点、そして専門のクリニックを受診する目安について、大腸肛門病、消化器病の専門医がわかりやすく解説します。
こんな症状でお困りではありませんか?
-
お尻から急にイボが出てきた
-
座るだけで激しく痛む
-
トイレで血が出た
自己判断が難しく、別の病気が隠れていることもあります。「恥ずかしい」と我慢せず、まずは当院にご相談ください。
▶ さいたま市で肛門科を予約する(24時間WEB予約)
2. まずは無理をしない!家でできる脱肛の対処法とセルフケア
「便秘で強くいきんだ」「重い荷物を持ち上げた」「長時間のデスクワーク」あるいは「冷えや疲労」「妊娠・出産」などをきっかけに、急にお尻からイボのようなものが出て激しく痛む場合、まずは患部を清潔に保ち、安静にすることが第一です。
「飛び出したイボは指で優しく押し込む」という対処法を聞いたことがあるかもしれません。確かに、初期の脱出であれば、そっと押し込むことで症状が落ち着くケースがあります。
-
いぼ痔(内痔核)が脱肛した際の正しい戻し方と姿勢
押し込む際は、決して乾いた手で強引に押し込んではいけません。可能であれば入浴後など、肛門の括約筋(かつやくきん)が温まって緊張がほぐれているタイミングが最適です。ワセリンや市販の軟膏を指に塗り、滑りを良くした状態で優しく押し戻します。姿勢は、横向きに寝て少し膝を曲げる「シムス位」という体勢をとると、お尻の力が抜けやすくなりスムーズです。
-
痛みがある時のセルフケアと「便通コントロール」
痛みが強くてつらい時は、患部への圧迫を避けることが重要です。座る際は円座(ドーナツクッション)を活用し、こまめに体勢を変えましょう。また、すぐに受診できない場合の「つなぎ」として市販の注入軟膏や鎮痛剤を使用するのも有効です。さらに重要なのが、次の排便時に悪化させないための「便通コントロール」です。水分を多めに摂り、必要に応じて市販の便秘薬等で便を柔らかく保ち、排便時の負担を減らしましょう。
-
無理な押し込みは厳禁!「嵌頓痔核」へ悪化するリスク
「痛みが強くて押し込めない」「硬くて戻らない」といった場合は、絶対に無理に押し込もうとしないでください。無理な刺激を与えると、さらに腫れがひどくなり、激しい痛みを引き起こす「嵌頓(かんとん)痔核」という状態に悪化してしまう恐れがあります。
3. そのイボ、本当に「脱肛」ですか?温めるのが逆効果になるケースも
実は、「いぼ痔が出てきた!」と思ってご来院される患者様の中には、診察してみると全く別の病気だったというケースが少なくありません。専門医の目で見ないと鑑別が難しい疾患には、代表的なものが3つあります。-
押し込んでもすぐに出てくる「血栓性外痔核」
脱肛だと思って指で押し込んでも、すぐに「ポコッ」と外に出てきてしまうことはありませんか?その場合、「血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)」の可能性があります。これは、肛門の“外側”の血流が滞り、血の塊(血栓)がパチンコ玉のように腫れ上がったものです。元々が外側にできているイボのため、いくら中へ押し込もうとしても留まることができず、すぐに出てきて強い痛みを伴います。
-
痔核ではない「見張りいぼ(スキンタッグ)」
見張りいぼ(スキンタッグ)とは、切れ痔(裂肛)が慢性化し、炎症を繰り返すことで皮膚がたるんでイボのように形成されたものです。これも内側から出てきた痔核ではないため、いくら押し込んでも中には戻りません。 -
激痛と腫れ、発熱を伴う危険な「肛門周囲膿瘍」
肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)は、肛門の周囲に細菌が入り込み、膿(うみ)が溜まって腫れ上がる病気です。熱を持ち、ズキズキとした激しい痛みを伴うのが特徴です。進行すると38度以上の発熱を伴うこともあり、局所の痛みと発熱がある場合は速やかな受診が必要です。
-
良かれと思った「温め(座浴)」が逆効果になる危険性
ここで特に注意していただきたいのが、痔の対処法として一般的な「お風呂で温める(座浴)」というケアです。いぼ痔であれば温めることで痛みが和らぐことが多いのですが、もし肛門周囲膿瘍だった場合、良かれと思って温めると化膿が進行して逆に痛みが悪化してしまう(逆効果になる)危険性があります。ご自身の判断で無理に押し込んだり温めたりするのはリスクを伴うため、「普段と違う強い痛み」「戻らない腫れ」がある時は自己流の対処をストップしてください。
4. 痛みが引かない・戻らない時は、早めに専門の肛門科へ
ご自宅で安静にしたり市販薬を使ったりしても痛みが引かない、あるいはイボが戻らない時は、我慢せずに専門のクリニックをご受診ください。適切な処置を行えば、驚くほどスッと痛みが引くこともあります。当院では、患者様の状態に合わせた迅速な処置を行っております。-
嵌頓痔核に対する「用手還納(ようしゅかんのう)」
嵌頓痔核の場合:腫れ上がって戻らなくなった痔核に対して、潤滑ゼリーなどを使用し、用手的に(手で)元の位置へ還納する処置に対応しています。ご自身で無理に押し込むよりも、安全かつ確実です。
-
肛門周囲膿瘍に対する「切開排膿」処置
肛門周囲膿瘍の場合:膿が溜まってパンパンに腫れている場合は、局所麻酔をした上で切開して膿を出す(切開排膿)処置を行います。膿が排出されることで圧力が下がり、これまでの激痛がウソのように楽になります。血栓性外痔核で痛みが強すぎる場合も、状況に応じて血栓を取り除く処置を行うことがあります。
5. 出血を伴う場合は要注意!「大腸カメラ」での評価が欠かせない理由
もう一つ、お尻の症状で非常に重要な視点があります。それは「出血」を伴う場合、必ず大腸疾患の除外(鑑別)を行わなければならないということです。痔核の奥に隠れた「大腸ポリープ・大腸がん」のリスク
まれに、痔核ではなく大腸のポリープができていて、それが脱肛しているケースもあります。「血が出たけれど、痔が出ているから痔からの出血だろう」と自己判断するのは大変危険です。お尻とお腹の健康を同時に守るための確実な診断
大腸がんや炎症性腸疾患など、腸の奥に重大な病気が隠れている可能性を否定できないため、お尻の診察とあわせて「大腸カメラ(大腸内視鏡検査)」で腸内を隅々まで評価することが、本当の意味での安心に繋がります。▶さいたま市で苦痛の少ない大腸カメラの詳細はこちら

6.お尻とお腹の不安をトータルサポート。当院が選ばれる理由
お尻の悩みは誰にとっても相談しづらいものです。しかし、嵌頓痔核や肛門周囲膿瘍の適切な処置、そして背後に隠れた大腸疾患の見逃しを防ぐためには、高度な専門知識と診断技術が不可欠です。
ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニックでは、患者様が安心して検査・治療に臨めるよう、以下の体制を整えています。
■ 痛みに配慮した迅速な日帰り処置
腫れ上がって戻らない嵌頓痔核の用手還納や、激痛を伴う肛門周囲膿瘍の切開排膿など、局所の強い痛みに対して迅速な処置を行います。プライバシーに配慮した環境で、恥ずかしさや不安を和らげるようスタッフ一同努めております。■ 苦痛を抑え、大腸がんを防ぐ「高精度な大腸カメラ」
当院では、痔の奥に隠れた疾患を見逃さない「苦痛の少ない大腸カメラ」を提供しています。高度な挿入技術「無送気軸保持短縮法」と鎮静剤を用い、ウトウトと楽な状態で検査が可能です。事前オンライン診療で来院は「当日の1回」のみ。土日検査や、年間4000件の実績と最新AIを駆使する胃カメラとの同日検査にも対応し、ポリープの早期切除で大腸がんを未然に防ぎます。■ 通いやすい好立地
お尻の痛みがある状態での長時間の移動は負担が大きくなります。当院は武蔵浦和駅から徒歩4分というアクセスしやすい立地にあり、埼京線・武蔵野線沿線にお住まいの方、通勤・通学でご利用の方にも無理なく通院いただけます。さいたま市内をはじめ、戸田市、蕨市、川口市、朝霞市など広域からも多くの患者様にご来院いただいております。▶︎ [広域からのご来院ルート・提携駐車場などのアクセス詳細はこちら]
まとめ
「急に痛くなった」「血が混じっている」と不安を感じたら、自己判断で温めたり無理に押し込んだりせず、まずは一度ご相談ください。急に出てきた痔の痛みは、誤った判断で温めたり無理に押し込んだりすると悪化してしまうケースがあります。「急に痛くなった」「血が混じっている」と不安を感じたら、お一人で悩まずに、まずは当院へお気軽にご相談ください。

関連記事
血便や便通異常が出たときの自己判断は危険です。症状によっては別の病気との見分けが必要になりますので、あわせて以下の記事もご覧ください。
【作成・監修】
ジェイズ胃腸内視鏡・肛門クリニック
理事長 柴田 淳一
東京大学大学院修了 医学博士
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
日本大腸肛門病学会専門医・指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
浦和医師会胃がん検診読影委員 など
医師プロフィールはこちら